1級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)
問21 (午前 ハ 問9)

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問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年) 問21(午前 ハ 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

地中送電線路における電力ケーブルの送電容量を増大させる方法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • ケーブルを冷却する。
  • 導体に素線絶縁導体を使用する。
  • 誘電正接の大きい絶縁体を使用する。
  • ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。

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この過去問の解説 (3件)

01

地中送電線路における電力ケーブルの送電容量を増大させることは、電力供給の効率化と信頼性向上において重要な課題です。送電容量を増大させるためには、さまざまな技術や手法が検討されます。本問題では、電力ケーブルの送電容量を増大させる方法に関する知識が求められています。各選択肢について詳しく見ていきましょう。

選択肢1. ケーブルを冷却する。

ケーブルを冷却する。 これは正しい記述です。冷却することでケーブルの温度を下げ、抵抗を減少させることができるため、送電容量が増大します。冷却は、送電ケーブルの効率を向上させるための一般的な方法です。

選択肢2. 導体に素線絶縁導体を使用する。

導体に素線絶縁導体を使用する。 これは正しい記述です。素線絶縁導体を使用することで、電力の損失を減らし、送電容量を増大させることができます。素線絶縁導体は、高い効率と信頼性を提供します。

選択肢3. 誘電正接の大きい絶縁体を使用する。

誘電正接の大きい絶縁体を使用する。 これは誤りです。誘電正接が大きい絶縁体は電力損失が大きくなり、結果として送電容量が減少します。誘電正接が小さい絶縁体の方が絶縁性能が良く、送電容量を増大させるのに適しています。

選択肢4. ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。

ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。 これは正しい記述です。金属シースの抵抗を大きくすることで、ケーブルの表面に流れる渦電流を減少させ、送電容量を増大させることができます。

まとめ

地中送電線路における電力ケーブルの送電容量を増大させる方法に関する正しい知識を持つことは、電力供給の効率化と信頼性向上において重要です。以下に各選択肢の正確性と適切性を示します:

ケーブルを冷却する。 冷却することでケーブルの温度を下げ、抵抗を減少させるため、送電容量が増大します。

導体に素線絶縁導体を使用する。 素線絶縁導体を使用することで、電力の損失を減らし、送電容量を増大させることができます。

誘電正接の大きい絶縁体を使用する。 この記述は誤りです。誘電正接が大きい絶縁体は電力損失が大きくなり、結果として送電容量が減少します。誘電正接が小さい絶縁体の方が絶縁性能が良く、送電容量を増大させるのに適しています。

ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。 金属シースの抵抗を大きくすることで、ケーブルの表面に流れる渦電流を減少させ、送電容量を増大させることができます。

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02

地中送電線路における電力ケーブルの送電容量に関する設問です。

 

送電容量は主に、電流による発熱を減らし、熱を逃がすか、
 熱による絶縁体の破壊をどのように防ぐかにかかってきます。

 

そのため、電線自体の構造を工夫したり、冷却するといった手法が採られます。

選択肢1. ケーブルを冷却する。

適当な記述です。

 

電流によるジュール熱は、絶縁体を劣化させます。

 

それでケーブルを冷却することで、送電容量を増やすことができます。

選択肢2. 導体に素線絶縁導体を使用する。

適当な記述です。

 

素線絶縁体とは、ケーブルを構成する素線を、それぞれ薄い絶縁膜で

 コーティングしたものです。

 

一本ずつを絶縁することで、表皮効果や渦電流の発生、

 さらに渦電流による熱の発生を防ぎ、

 送電容量を増やすのに役立ちます。

選択肢3. 誘電正接の大きい絶縁体を使用する。

不適当な記述です。

 

誘電正接(tanδ)は、絶縁体中で発生する誘電損失の大きさ を示す指標です。

 

誘電正接が大きいほど、誘電損失が増大し、絶縁体での発熱が大きくなるため、

  送電容量を低下させるので、この記述は誤っています。

選択肢4. ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。

適当な記述です。

 

金属シースには、誘導電流による シース損失 が発生します。
 シースの抵抗を大きくすると、この誘導による循環電流を抑え、

 結果として発熱が少なくなります。

 

それで金属シースの抵抗を大きくするのは、

 送電容量を増やす効果があります。

まとめ

地中送電線路の送電容量を増やすための基本的な考え方は、
「発熱を減らし、熱を逃がす」 ことです。

 

この視点で考えると、絶縁損失を大きくする

 「誘電正接の大きい絶縁体を使用する」が誤りだと判断できます。

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03

地中送電線路における電力ケーブルの送電容量を増大させる方法に関する問題です。

選択肢1. ケーブルを冷却する。

問題文の内容通りです

 

送電容量を増やす方法には、ケーブルの許容温度を上げる対策が有効で、ケーブル自体を冷却する方法が取られます。

1) 強制水冷方式

地中ケーブルに水冷管を沿わせて設置し、水の循環で冷却します。

2) 内部水冷式

ケーブル導体を直に冷却する方法です。

選択肢2. 導体に素線絶縁導体を使用する。

問題文の内容通りです

 

電線に交流のような時間定期に変化する電流が流れると、電磁誘導などが影響して、電流が周辺部を流れ、電流密度が電線中心部から周辺部で大きくなる「表皮効果」が表れ、電力損失が大きくなります。

表皮効果による交流抵抗増加を減らすために、導体を構成する素線表面に、エナメルのような絶縁被膜を施すことで、導体内の電流密度が均一化し、電力損失を減少させられます。

選択肢3. 誘電正接の大きい絶縁体を使用する。

誘電正接の小さい絶縁体を使用する

 

誘電体が交流電場中にあるとき、エネルギーの一部が、誘電体内部で熱に変わり消失する現象が誘電損失で、誘電正接や誘電率が大きいほど誘電損失は増大します。

 

誘電正接は、誘電体が交流電場中にあるときに、エネルギーの一部が熱となる比率を、tanδの数値で表し、誘電損失に比例した係数で、誘電正接が大きいほど、電力消費が大きく、誘電損失が増加します。

(誘電正接の詳細の解説は、長くなるため、省略します)

選択肢4. ケーブルの金属シースの抵抗を大きくする。

問題文の内容通りです

 

電力ケーブルの送電容量の損失低減のためには、金属シースの抵抗を大きくします。

シースの材料を、鉛からアルミニウムに変更し、抵抗率を高くするか、シースを薄くしてシースに流れる誘導電流を低くし、シース損を減少させます。

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