1級電気工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)
問8 (午前 ロ 問2)

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問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年) 問8(午前 ロ 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

変電所に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 密閉母線の種類には、ガス絶縁母線、固体絶縁母線などがある。
  • 二重母線は、環状母線に比べて系統運用上の自由度が少ないが、所要面積が少なくて済む。
  • ガス絶縁変圧器は、不燃性ガスを絶縁に使用しており、地下変電所など屋内設置に適している。
  • 500kV変電所などで使用される大型の変圧器は、単相器の状態で輸送し、現地で三相器に組み立てる場合がある。

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この過去問の解説 (1件)

01

  変電所には、発電所から特別高圧で送電されてきた電気の「電圧を変換し分配し」、

「工事や事故の際に特定の系統を切り離す」といった役目があります。


 これらの役割を果たすために使用される機器や方式を理解するために、

機器の目的を大まかにでも把握しておくのが助けになります。
 

選択肢1. 密閉母線の種類には、ガス絶縁母線、固体絶縁母線などがある。

適切な説明です。

 

 密閉母線の種類は、絶縁方法によって区別しています。

 

 ガス絶縁母線は、 六フッ化硫黄などの絶縁ガスを封じた金属箱に導体を収納したものです。
 固体絶縁母線は、エポキシ樹脂などの固体絶縁体で導体を覆ったもので、主に低圧のスポットネットワーク方式などで採用されます。
 

選択肢2. 二重母線は、環状母線に比べて系統運用上の自由度が少ないが、所要面積が少なくて済む。

不適当な説明です。

 

二重母線とは、電力供給の信頼性を高めるために2本の母線を並べて設置する方式です。
 片方の母線を事故や点検で停止させても、別の母線を使って電力供給を継続できるのが特徴です。
 また回線の切替を柔軟に行なうことができ、系統運用上の自由度が上がるメリットがあります。
 

 しかし母線を2本用意することに加え、切替装置等の機器が増えるため、設備が複雑になり、設備費が高く、運用保守の手間が増えます。

 よって「自由度が少ない」という部分が間違っています。

 

 

環状母線とは、母線をリング状に配置することで、どこかで遮断されても、別経路で電力を流せるため信頼性を高くできる方式です。
 また二重母線より設備が少なくコストを抑えやすいのもメリットです。
 

 しかし故障時の切り分け、操作が複雑になる上、リング全体の潮流管理が必要になるため運用が難しくなります。

選択肢3. ガス絶縁変圧器は、不燃性ガスを絶縁に使用しており、地下変電所など屋内設置に適している。

適切な説明です。

 

ガス変圧器とは、絶縁油の代わりに、SF6(六フッ化硫黄)ガスなどの不活性ガスを絶縁・冷却媒体として使用した変圧器です。
 不燃性で安全性が高く、コンパクトに設計できるため、地下変電所やビル内などスペースに限りがある場所でよく使われます。

選択肢4. 500kV変電所などで使用される大型の変圧器は、単相器の状態で輸送し、現地で三相器に組み立てる場合がある。

適切な説明です。

 

 大型変圧器は、変圧器の鉄心や巻線に加え絶縁油等もあり、容積・重量ゆえに輸送・搬入が困難になります。

 それで単相変圧器を3台を搬入してから結線し、1台の三相変圧器として使用する場合があります。
 これは、大型の三相変圧器を一括で搬入することが難しい場合に採用される手法です。

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