1級電気工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)
問10 (午前 ロ 問4)
問題文
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問題
1級電気工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年) 問10(午前 ロ 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
- 送電容量が小さい。
- 静電容量が大きい。
- インダクタンスが小さい。
- 風圧や氷雪荷重が大きい。
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この過去問の解説 (1件)
01
架空送電線には、「単導体方式」と「多導体方式」の2種類があります。
単導体方式 1つの相を導体(ワイヤ)を 1本だけ使う方式
多導体方式 1つの相を送電するのに、複数の導体を束ねて使う方式
それぞれ長所と短所がありますが、以下のような基本的な特徴があります。
単導体はシンプルで安く敷設できる。
多導体は大容量の電流を送電できるが高価になる。
加えて多導体方式は、(複数の導体を束ねて使うため、実際の導体の断面積合計が同じだとしても)見かけの断面積が大きくなることから、静電容量が大きくなり、インダクタンスが小さくなるといった特徴もあります。
最も不適当な説明です。
多導体にすると、電線全体の電気的特性が良くなり、
損失や電圧降下が減るので(導体の断面積合計が同一だとしても)送電容量は大きくなります。
高電圧送電では、導体の表面に強い電界が発生し、コロナ放電 が起きやすくなります。
しかし多導体方式では、複数の導体が電気的に「太い導体」のように振る舞うため、
表面電界が弱くなり、コロナが大幅に減ります。
結果、より大容量の送電が可能になります。
適切な説明です。
多導体方式では、全体として電気的に太い導体のように振る舞うため、
外部から見た電界が分散し弱まります。
静電容量は、電界が弱いほど大きくなる性質があるため、
導体が太くなると「より多くの電荷を貯められる」状態になり、静電容量が大きくなります。
適切な説明です。
多導体方式では、複数の導体の配置により、自己インダクタンスの半径が大きくなります。
インダクタンス は、導体の有効半径が大きいほど小さくなる性質があります。
多導体方式では、電気的に、全体として太い導体と同じような磁界分布になり、
結果としてインダクタンスが小さくなります。
適切な説明です。
多導体方式では、電気的には一つの導体として振る舞いますが、
物理的には複数の導体を組み合わせた太い導体であり、
結果として風や氷雪の影響を大きく受けます。
強い風が吹けば、単導体方式よりもダメージを受けやすく、氷雪の付着も多くなります。
よって風圧や氷雪荷重は大きくなってしまいます。
自分なりに、単導体方式と多導体方式のイメージを掴んでおくと理解しやすくなります。
例えば、電気工事に使用する電線の「単線(単導体)」と「より線(多導体)」のように、比較的身近なものでイメージしておくと記憶しやすいでしょう。
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