1級電気工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)
問13 (午前 ハ 問1)

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問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年) 問13(午前 ハ 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

汽力発電所の設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 過熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで加熱し、熱効率を向上させる。
  • 節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラへの給水を加熱し、熱効率を向上させる。
  • 空気予熱器は、火炉に吹き込む燃焼用空気を、煙道を通る燃焼ガスで予熱する熱交換器である。
  • 給水加熱器は、タービンの途中から抽気した蒸気で、ボイラへの給水を加熱する。

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この過去問の解説 (1件)

01

汽力発電所とは、水を加熱して蒸気をつくり、その蒸気でタービンを回して発電している発電所です。

 

地熱や原子力を用いるものもありますが、一般的に石油や石炭・天然ガスなどを用いる火力発電所を指す表現です。

 

また、蒸気タービン発電所と呼ばれることもあります。

選択肢1. 過熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで加熱し、熱効率を向上させる。

不適当な説明です。

 

 高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラで加熱し、熱効率を向上させるのは、

過熱器ではなく、再熱器です。

 

 過熱器はボイラで発生した飽和蒸気をタービン入口前でさらに加熱して「過熱蒸気にする装置」です。

 

 つまりタービンの前にあるのが、過熱器であり、

  タービンの後にあるのが、再熱器です。

 

流れとして  過熱器 → タービン → 過熱器 → (蒸気の再利用)  となります。

選択肢2. 節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラへの給水を加熱し、熱効率を向上させる。

適当な説明です。

 

 節炭器という名前は、かつて発電の主力燃料だった「石炭」を「節約する」装置であることに由来するようです。

 

 役割は選択肢の説明通りです。

選択肢3. 空気予熱器は、火炉に吹き込む燃焼用空気を、煙道を通る燃焼ガスで予熱する熱交換器である。

適当な説明です。

 

空気予熱器は、その名称通り、燃焼用に送り込む空気を予熱することで、

 効率を良くするためのもので、方法は選択肢の説明通りです。

選択肢4. 給水加熱器は、タービンの途中から抽気した蒸気で、ボイラへの給水を加熱する。

適当な説明です。

 

給水加熱器は、タービンからの蒸気の一部を利用してボイラへの給水を加熱します。

 予め給水を十分に加熱することにより、

水を蒸気とするために必要なエネルギーを減らし効率を良くします。

 

 なお節炭器と給水加熱器は、どちらも給水を加熱しますが、加熱源が異なります

 節炭器は、ボイラーの排ガスを利用し、

 給水加熱器は、タービンからの蒸気を利用します。

まとめ

節炭器・給水加熱器・空気予熱器は、

 いずれも、汽力発電所の効率を改善する装置ですが、

 以下のように、対象と熱源に注目すると、覚えやすくなるでしょう。

 

  節炭器は、「水」を「排ガス」で温めます。

 給水過熱器は、「水」を「ボイラーの蒸気」で温めます。

 空気予熱器は、「空気」を「排ガス」で温めます。

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