1級電気工事施工管理技士 過去問
令和7年度(2025年)
問30 (午前 ハ 問18)

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問題

1級電気工事施工管理技士試験 令和7年度(2025年) 問30(午前 ハ 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

高圧受電用過電流継電器に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 限時要素の動作電流の整定値は、変流器(CT)の定格一次電流に比例する。
  • 限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。
  • 瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。
  • 瞬時要素は短絡保護用に適用され、限時要素は過負荷保護用に適用される。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、高圧受電設備に用いられる過電流継電器についての理解を問うものです。

 

各種の整定値がどんな目的で決められているか、

 それぞれの役割の違いや、分担の理解を深める必要があります。

選択肢1. 限時要素の動作電流の整定値は、変流器(CT)の定格一次電流に比例する。

不適当な記述です。

 

限時要素とは、電流値に応じて時間遅れで動作する要素のことです。

 

異常電流が生じれば遮断する信号を発するのが「過電流継電器」ですが、

 電流が大きければ大きいほど素早く、

 それほど大きくなければ、ゆっくりと信号を発するという

  どの程度の大きさの電流で直ちに遮断指示を出すかを定めるのが、

   限時要素の整定値です。

 

この整定値は、主に負荷電流や他の機器とのバランスを考慮して決められるものであり、

 CT(変流器)の定格一次電流に比例して決めるのではありません。

選択肢2. 限時要素の動作時間の整定にあたっては、電力会社の配電用変電所との保護協調を図る。

適当な記述です。

 

保護協調とは、必要最小限の範囲だけを遮断するための調整をすることです。

 

事故が発生した地点から近い順に保護装置が動作する必要があります。

 

もし、ある工場で電気事故が起きた時、工場内の遮断器が先に動作しないで、

 より上流にある電力会社の遮断器が先に動作してしまうと、

  近隣の無関係の場所まで停電させてしまうことになります。

 

それで、上流の電力会社の遮断器よりも、先に下流側の遮断器が先に動作するように、

 動作時間を設定すべきであり、記述は適当です。

選択肢3. 瞬時要素の動作電流の整定値は、変圧器の励磁突入電流などで動作しない値とする。

適当な記述です。

 

変圧器を接続した時に最初に流れ始める電流が「励磁突入電流」です。

 この電流で遮断器が動作するなら、変圧器回路を接続する

(電気を使用する度に)停電してしまい、電気設備が使用できません。

 

瞬時要素とは、設定電流を超えると即座に動作する要素であり、

 記述にあるように「励磁突入電流などで動作しない」、

かつ

 「異常な過大電流の時に動作する」よう整定する必要があります。

選択肢4. 瞬時要素は短絡保護用に適用され、限時要素は過負荷保護用に適用される。

適当な記述です。

 

瞬間的に過大な電流が流れるのは、短絡事故などによるものであるため、

 瞬時要素は主に短絡保護用に適用されます。

 

逆に負荷側の異常や過負荷により、やや大きな電流が継続的に流れ、

 (短絡に比べると)徐々に機器や電線が加熱して焼損しないように保護するため

 限時要素が設定されるので、主に過負荷保護用に適用されるといえます。

まとめ

この問題に関係する用語を以下にまとめます。

 

過電流継電器(OCR) 

 電流が一定値を超えたとき遮断器を動作させる保護装置
 

CT(変流器)

 高電流を継電器用の小電流に変換する装置
 

限時要素

 電流値に応じて時間遅れで動作する要素
 

瞬時要素

 設定電流を超えると即座に動作する要素
 

保護協調

 必要最小限の範囲だけを遮断するための調整

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